2019年03月18日

『明月記』前回記事(3月15日)の訂正と追加

 今回の天文遺産に『明月記』が選定されたことについては,同書を蔵する「冷泉家時雨亭文庫」に詳しいK.S.さん(駿台天文講座受講者)のご尽力があったことをご紹介したいと思います.そのK.S.さんのご指摘により,前回記事を下記のように訂正・補足します:
 [訂正] 『明月記』は重要文化財ではなく「国宝」です.
 [補足] 天文遺産指定についての,日本天文学会の発表(pdf文書).
K.S.さんありがとうございました.

 冷泉家時雨亭文庫をwebで調べてみました.冷泉家は(日記『明月記』の書き手でありまた『新古今和歌集』や『小倉百人一首』などの選者でもあった)藤原定家の子孫の家系で,そこに代々伝わる古文書は,『明月記』のほかに定家自筆の『古今和歌集』や『後撰和歌集』など国宝計5点,重要文化財は数知れずという大変貴重な資料だということです.

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2019年03月15日

日本天文学会,天文遺産を選定

 いま日本天文学会の春季年会が開かれていますが,そこで,第1回の天文遺産選定が発表されました.詳細は各新聞の14日付け夕刊に出ているようです.第1回は,過去の天文記録があるので有名な藤原定家の『明月記』と会津藩の天文台跡だそうです.重要文化財「明月記」.jpg
 明月記のオーロラの記録については,2月の磯部先生のお話しにも出ていました.他にも,「かに星雲」のもとになった超新星爆発の観測記録などもあり,大変貴重な文書です.もちろん重要文化財に指定されています.
 天文記録だけでなく,文化財としての明月記の意味などをも含めて,どなたかに駿台講座でお話しいただけたらと思っています.乞うご期待.

(図はWikipediaより)
posted by 駿台天文中嶋 at 18:35| Comment(0) | 日記

2019年03月11日

日経新聞記事「ウルティマトゥーレ」

 またまた日経新聞に中島記者の記事が出ました.3月10日付朝刊で,「太陽系最果てに『雪だるま』」というタイトルです.819_MU69_1600.jpg
 ご存じのように,冥王星を撮影した探査機「ニューホライズンズ」が本年元旦に,冥王星よりもさらに遠方の天体の近接撮影に成功しました.(右図は NASAのページ より)
 今回の記事は,これについて解説しているものですが,注目点は,記事にコメンテーターとして登場する東工大の関根康人教授と,記事文末にある「今月18日から米ヒューストン近郊で開かれる関連学会でニューホライズンズがこれまでに送ってきたデータを分析した成果が約40件発表される予定だ」ということです.関根先生は駿台講座でお呼びしたい人の一人です.また,学会での発表の内容がわかり次第,本欄でも紹介したいと思います.
posted by 駿台天文中嶋 at 10:00| Comment(0) | 日記

2019年03月06日

駿台天文講座,2月の講師,磯部洋明先生のニュース

 2月の講座では,磯部洋明先生の「歴史書から探る太陽活動」のお話を聴きましたが,これは天文学者と歴史学者という異分野の研究者の共同研究のお話しでした.磯部先生は,他にも宇宙科学技術と社会との関連という学際研究にも関係しておられます.この研究グループで,このほど“対論型サイエンスカフェ「宇宙資源は誰のもの?」”という集まりを開催するので,皆様いかがですかというお誘いを受けました.詳細の webページは こちら です.論者には,私の前任校の一橋大学の社会科学の先生もおり,大変興味がありますが,残念ながら日程の3月15日は天文講座の前日で準備が忙しく,私自身は参加できそうもありません.

 磯部先生からはもう1件ご紹介がありました.磯部先生の近著のご紹介で,「宇宙を研究する」ということについて幅広い観点から論じている本です.小学館の「学問入門シリーズ」の1冊,『宇宙を生きる』というタイトルです.本の紹介ページは こちら

 どちらのご紹介も,3月の講座,的川先生のお話しにも関連するテーマではないかと思います.
posted by 駿台天文中嶋 at 11:45| Comment(0) | 日記

2019年02月22日

京都大学,せいめい望遠鏡

SeimeiTele.jpg
 京都大学が中心となって開発した「せいめい望遠鏡」がこのほど完成し,2月20日に完成式典があったということが,21日の日経新聞に掲載されました.(写真は 京都大学のページ より.)
 望遠鏡の口径は3.8mで,すばる望遠鏡の8.2mには及びませんが,各種の新技術を結集したユニークな望遠鏡になっているようです.また研究テーマも,その機動性を活用した観測,例えば星の爆発など突発的な事象,スーパーフレア星の観測などを計画しているということです.
 「せいめい」の名称は,平安時代の陰陽師・天文博士の安倍晴明にちなむ,ということで,いろいろ興味深い話題がありそうです.ぜひ駿台天文講座で取り上げたいと思います.
posted by 駿台天文中嶋 at 17:40| Comment(0) | 日記

2019年02月12日

日経新聞,2月10日記事

 前回紹介した日経サイエンスの記事のダイジェスト版が,日経新聞の2月10日(日)の科学欄に出ました.よくまとまっているのでお勧めです.また,16日(土)の磯部先生の天文講座の講演要旨も こちら に掲示しました.日経新聞記事の,中島林彦記者の最後のまとめが,今回のお話しの眼目です:
 「古文書の解読と自然科学との融合は、繰り返される巨大磁気嵐の発生を明らかにした。これをもとに予想されるリスクを分析し、どのような対策をとればいいのかを考える必要がありそうだ。」
posted by 駿台天文中嶋 at 07:40| Comment(0) | 日記