2019年11月23日

日経記事「はやぶさ2 ささえる研究者」

 11月20日の朝刊の記事です。7人の研究者のお名前と、それぞれの役割が書いてありました。たとえば「りゅうぐう」表面の数百個の岩石についてそれぞれの高さを求める、というような地道で骨の折れる仕事を皆が分担し、綿密なすり合わせを行ってプロジェクトを成功させた、というような内容でした。あまり表舞台に出ないような地道なお仕事について、その苦労話をぜひお聞きしてみたいと思います。
posted by 駿台天文中嶋 at 23:22| Comment(2) | 日記

2019年11月13日

11月8日、朝日新聞夕刊記事、木曽天文台のトモエゴゼン

 標記の朝日新聞記事(webページは こちら)に、東京大学木曽天文台の新観測装置「トモエゴゼン」の紹介が出ていました。(朝日新聞のwebページ記事は、無料会員登録で1日1本、全文を読むことができます。)
 これまでの天文観測は「1時間露出」などというのがあたりまえでしたが、この「トモエゴゼン」は、超高感度CCDカメラを用いて「0.5秒露出」で観測します。これにより、これまでは不可能だった突発的な瞬間現象の捕捉、あるいは高速移動天体の発見、などが可能となり、天文観測に新しい世界が開けます。実際、試験観測を含めた観測期間(1年未満)の間に、すでに3個の地球接近小惑星を、高速移動天体として発見しています。また近年は「高速電波バースト」なる瞬間現象の存在も明らかになり、未知の新たな天文現象の発見も大いに期待されます。
 来年度の駿台天文講座の有力候補です。
posted by 駿台天文中嶋 at 17:58| Comment(3) | 日記

2019年10月30日

10月27日(日)日経記事、ハイパーカミオカンデ

 忙しくなってきました。10月18日の記事についてのコメントを書こうとしているところに、またひとつ、27日の記事が飛び込んできました。とりあえず27日の記事についてのコメントを先に書きます。
 記事は<こちら>ですが、無料の会員登録で全体を読むことができます。(ただし無料会員の場合は、月に10本の記事まで。)
 「カミオカンデ」は小柴さんのノーベル賞で有名、またその改良版の「スーパーカミオカンデ」は梶田さんにノーベル賞をもたらしました。小柴さんは、超新星爆発のニュートリノを捕えたこと、また梶田さんはニュートリノに質量があることの証明、をそれぞれのカミオカンデで達成したのですが、実はカミオカンデシリーズの研究目的は、本来は別のところにあったのでした。それが今回の記事に説明されている「陽子崩壊」です。そしてその目的は、これまでのカミオカンデでは達成されていませんでした。
 そこで今回、さらに改良された「ハイパーカミオカンデ」を建設して、陽子崩壊を捕まえる本来の目的に挑もうということになりました。日経新聞の記事は、これについてわかりやすく説明しています。また、陽子崩壊の検出が、素粒子科学の大問題「大統一理論」にどのように関わっているかについてもよく解説してあります。
 大統一理論については、まだ駿台講座でも取り上げていないので、来年度はぜひ取り上げたいと思います。
posted by 駿台天文中嶋 at 00:44| Comment(6) | 日記

2019年10月14日

9月22日の日経記事、天の川中心の巨大ブラックホールの活動

 前回に引き続き、書きたいことのその2、です。遅くなってしまいましたが、9月22日の記事の話題です。

 記事の内容は、天の川銀河中心付近のいろいろな現象について、でした。箇条書きにすると:
1)銀河中心で赤外線が急に増光する現象が、5月に観測された。
2)フェルミ衛星のガンマ線観測で、銀河中心から銀河面の垂直方向に大きく広がる泡構造が、2010年に発見された。
3)銀河中心から300光年の距離にある星間ガス雲が、1990年代半ばから約10年間、強いX線を放ち続けたことが⽇本の天⽂衛星で観測された。

 これらのことから考えられることを箇条書きにすると:
1)天の川銀河中心の巨大ブラックホールで、1000万年前に何らかの大爆発が起こり、ガンマ線の泡構造ができた。これは以前に発見された電波やX線の巨大なループ構造をももたらした(早稲田大学、片岡教授)。
2)星間ガス雲のX線の輝きは、300年前にブラックホールで何らかの爆発が起こり、それが300光年離れた星雲に反射したものが1990年に見えた。
3)1000万年前のブラックホールの爆発は、近くにあった巨⼤ガス雲などがブラックホールに吸い込まれる過程で⽣じたのではないか(片岡教授)。
4)300年前の爆発は、近くの星が⼤爆発して発⽣した衝撃波がブラックホールを取り巻くガス円盤を揺さぶって生じたのではないか(京都大学、小山勝二名誉教授)。
5)2014年に地球の3倍くらいの質量の星間ガス雲がブラックホールに最接近したことが観測されたが、これでブラックホールを取り巻くガス円盤が揺さぶられ、約5年遅れでその影響が現れたのが今回の赤外線の増光ではないか(国⽴天⽂台、川島朋尚特任助教)。
6)これからもこのような現象がたびたび起こるのではないか。

 10月の小山先生のお話しには、超新星爆発の残骸星雲のX線観測が出てきますが、小山先生は銀河中心のX線についても大きな仕事をされています。いずれまたこちらのお話もお願いしたいと思います。
posted by 駿台天文中嶋 at 00:04| Comment(0) | 日記

2019年10月11日

2019年ノーベル物理学賞は、天文学関連

 ブログが忙しくなりました。書きたいことが3つたまってしまいました。 その1:

 今年のノーベル賞は、吉野さんの化学賞のニュースに沸いていますが、物理学賞も見過ごすことはできません。物理学賞は、天文関連の2つの業績に対して授与されましたが、その一つは太陽系外の惑星の発見、もう一つは宇宙を物理学的に研究する方法の確立、です。9日付けの各新聞の報道にもあるように、前者はスイスの天文学者ミシェル・マイヨール氏とディディエ・ケロー氏、後者はアメリカの物理学者・天文学者のジェームズ・ピーブルズ氏です。

51Pegasi.jpg 太陽系外の惑星は、1995年、前述の両氏による「ペガサス座51番星の木星大の惑星」の発見が最初です。これをきっかけに次々と系外惑星が発見され、今では何千という惑星が確認されています。これには系外惑星探査のケプラー探査機によるところが大きいのですが、昨年打ち上げられた、後継機のTESS探査機も着々と観測を続けており、さらなる成果が期待されます。日本でのこの研究の中心人物の成田憲保さんには、2013年の駿台北軽井沢講座でお話いただきました。(右図は The Nobel Prize のページより)

 宇宙物理学のピーブルズ氏の業績は、とても一言では言い尽くせないのですが、まとめて言えば「宇宙の理論を物理学的に精密に研究する道を開いた」と言えるかと思います。「ピーブルズ氏の業績」というようなテーマで、誰かに駿台講座でお話ししてもらえないかなと思います。

 
posted by 駿台天文中嶋 at 15:56| Comment(0) | 日記

2019年10月04日

日経新聞記事、隕石の研究

 日経の、10月4日(金)朝刊、かがくアゴラの欄に「隕石から太陽系の謎に迫る 国立極地研究所准教授 山口亮氏」という記事がありました。山口先生の隕石研究と、はやぶさ2のりゅうぐうサンプル研究とを総合すれば、太陽系の成り立ちの研究が大きく進むと予想されます。駿台天文講座でも注目したいと思います。
 なぜ極地研で隕石なのかというと、南極の氷の中から多数の隕石が採取されているからです。
posted by 駿台天文中嶋 at 17:54| Comment(0) | 日記