2020年04月07日

日経新聞記事,4月5日,4月7日

 4月5日には「生命ある惑星 地球だけ?」という見出しで,地球以外の生命の存在確率について,最近の研究成果を報告する記事がありました.生命が,太古の混沌の中から自然に合成される確率は,計算してみると非常に低いのですが,今見えている宇宙の外側の広大な宇宙を考えれば確率は1以上になる,というものです.そうすると逆に,今見えている宇宙の中には地球外生命の見つかる確率は非常に小さいということになってしまいますが,生命誕生のプロセスには諸説があり,まだ何とも言えない,ということのようです.
 ともかく一刻も早く実際に宇宙の中に生命の痕跡を見つけたいものですが,そのためのカギを握る「TMT望遠鏡」の建設が残念ながら遅れているという記事が,4月6日の日経紙面にありました.

 4月7日(火)の記事は,「スカイツリー展望台、地上より10億分の4秒速く」というもので,一般相対論に基づく「重力による時計の遅れ」を500m足らずの高低差で確かめた,とのことでした.500m上に登れば,地球の中心からの距離が増えてその分重力が弱くなるのですが,それにしてもその差はほんのわずかです.さらに一般相対論の影響などはそれに輪をかけて小さいので,時間の差などは気が遠くなるような小ささです.にもかかわらずそれが検出できたということは,それを測定した時計の精度がすごかった,ということに他ならないわけです.結局この実験は,新技術の「光格子時計」のすごさを示すもの,となっています.
 実は,これと同じ実験が40年以上前,国立天文台がまだ「東京天文台」と呼ばれていたころに,海抜2876mの乗鞍山山頂で行われていました.実施したのは,この1月に101歳でお亡くなりになった故飯島重孝先生です.先生が用いられたのは「セシウム原子時計」という時計で,標準的な精度は光格子時計の100分の1程度ですが,これを各種の実験でぎりぎりまで精度を高め,乗鞍山頂での一般相対論効果を確かめられた,というものです.すばらしい研究成果だったのですが,当時の天文台は純粋に研究一筋というところで記者会見の発表などは思いも及ばず,せっかくの成果があまり知られていないというのはなんとも残念なことです.
posted by 駿台天文中嶋 at 10:39| Comment(0) | 日記
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