2017年12月01日

日経新聞,12月1日朝刊,「ニュースな科学」面に田中雅臣さんのお話しが.

 またまた田中雅臣さんのお話しですが,今回は日経新聞で紹介されました.記事執筆は中島林彦記者です.もう何度もブログに書きましたが,この記事を参考に本件をもう一度まとめてみると次のようになります:
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 今年8月に「中性子星の合体による重力波」が初めて観測され,しかも発生源が特定されて他の観測手段(赤外線など)でも観測することができた.これは天文学の歴史を画する大発見と言って良い.今回の発見でわかったことは,中性子星の合体でどのようなことが起こるか,ということである.これについては,観測以前からいろいろな理論計算(シミュレーション)が行われていたが,その中の「キロノバ」という考え方のシミュレーション結果が,今回の観測データによく一致した.したがって「キロノバ」で考えられたシナリオが実際に起こった,と考えられる.シナリオの内容はいろいろあるが,その一つに「宇宙の重元素の起源」がある.「鉄」より原子番号の大きい「重元素」は恒星の内部での核反応では形成できないとされており,その存在は宇宙の大きなナゾであった.それが,中性子星の合体の際に飛び散った飛沫の中から形成されたと考えられる,というのである.
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 重元素の代表は「金」や「白金」などということで,今回「金がたくさんできた」ということになっていますが,もちろん「ウラン」や「ニホニウム」などもできたはずです(ニホニウムはすぐに崩壊).記事の中で田中さんも言っているように,このような観測は今後数多く行われることが期待され,新たな天文学理論の発展が予想されます.わからないことがあったら,2月17日の月例講演で田中さんにいろいろ質問して下さい.
posted by 駿台天文中嶋 at 13:10| Comment(0) | 日記
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