2020年12月05日

講座で聴きたい天文ニュース(1)ガイアカタログ

 久々のブログ投稿です.これまでこのブログをどのように講座に活用しようか,いろいろ考えていましたが,結局「講座で聴きたい天文ニュース」をシリーズとして始めることにしました.初回は「ガイアカタログ」についてです.
 「ガイア」は,ヨーロッパの天文学者が中心になって実行されているプロジェクトで,全天のたくさんの恒星の位置を精密に測定する,というものです.2013年のガイア衛星打ち上げによって始まったこのプロジェクトは,これまで観測成果の第1版(2016年),第2版(2018年)が公表されていましたが,今回集大成ともいえる第3版が12月上旬に公表されました.ただしこれはまだ暫定版で,最終版は2022年の予定だそうです.
 「ガイア」の簡単な説明は,天文学辞典記事アストロアーツのニュース(2018)などにあります.wikipedia の日本語のページはあまり詳しくなく,一番充実しているのはドイツ語のページです.なお,ガイア計画のホームページは こちらです.
 「ガイア」のもたらすデータは,17億以上の恒星についてその天球上の位置や固有運動,さらに距離の指標としての年周視差を,10万分の1秒角の精度で提供するというもので,文字通り未曽有のデータです.このデータを使って銀河系の構造を解析した研究など,すでにいくつかの成果が報告されています.(たとえば こちら.)
 ぜひ駿台天文講座で詳しい説明を聴きたいものです.
posted by 駿台天文中嶋 at 13:05| Comment(0) | 日記