2017年06月25日

「原始星」ガス噴出しながら成長(日経6月25日朝刊)

 アルマ望遠鏡が、生まれたての星(原始星、私の授業では「ベビースター」)の様子を観測した、というものです。より詳しい解説記事は、アルマのサイトにあります。また、ネイチャーアストロノミーオンライン版はこちら
 星は、「星雲ガス」(これも私の授業の用語)が万有引力で収縮して高温になり、形成されます。ところがガスや流体は、一か所に集まってくると渦巻回転を始めます。これでは遠心力のため収縮が止まってしまい、高温の星になることができません。なんとかして回転エネルギー(これも私の用語で、正しくは「回転角運動量」)を外部に放出しなければなりません。これがなかなか難しく、具体的にどのようなメカニズムで放出されるのか、よくわかっていませんでした。
 今回の研究は、オリオン大星雲の中で星が生まれつつある現場で、ある方法でこのメカニズムが働いているのを観測で確認した、というものです。
 駿台講座では、7月15日に、アルマの平松先生にお話いただきます。お話のテーマはこのベビースターとは少し違うようですが、質問すれば説明してもらえるかもしれません。
posted by 駿台天文中嶋 at 08:22| Comment(0) | 日記

2017年06月22日

6月19日、毎日新聞、吉川真先生、スペースガード

 毎日新聞に、吉川先生のスペースガードのお話が出ていました。(毎日新聞の記事は、かなりネットで見ることができます。)吉川先生は来年の1月20日の講座でお話いただくことになっています。乞ご期待。
posted by 駿台天文中嶋 at 18:00| Comment(0) | 日記

2017年06月18日

「ブラックホールあぶり出せ」日経6月18日

 先週日曜日の日経科学欄は天文関係ではなかったので,ブログも一休みできました.今週からまた活動開始です.
 近年重力波で新たなタイプのブラックホールが検出され,見えないはずのブラックホールがあの手この手で観測できるようになってきましたが,今回の記事で紹介しているのは電波観測からもいろいろなブラックホールが見えるようになってきた,ということです.もちろん直接見えるのでなく,ブラックホールの周りの星雲ガスの運動から間接的にわかるということです.
 紹介されている電波観測は2件で,どちらも慶応大学の岡朋治教授のグループの研究です.最初の紹介は,本年1月の発表で「高速で動くブラックホールが星雲ガス(分子雲)を突き抜けて進んでいるらしい現象を観測した」というものです.「野良ブラックホール」というキャッチフレーズで,天文台のニュースなどで解説されています.
 2番目のものは,昨年1月の発表で「太陽の重さの10万倍という大きなブラックホールの周りで星雲ガスが高速で運動しているらしい現象を観測した」というもので,これも天文台のニュースで解説されています.記事にはありませんが,この他に「竜巻星雲 (Tornado Nebula)」などの天体もブラックホールによるのではないかと言われています.
 これらに似た天体は他にもいろいろ発見されており,それらの研究が進めばブラックホールの見方も大きく変わってくるかも知れません.面白くなってきました.
 なおこの記事の記者,中島林彦さんには,駿台天文講座で10月21日にお話しいただくことになっています.詳しくはホームページで.
posted by 駿台天文中嶋 at 18:03| Comment(0) | 日記

2017年06月03日

またまた重力波を観測(6月2日,日経記事)

 いよいよ重力波天文学も本格化してきました.2015年9月の最初の観測からわずか1年3ヶ月,本年1月4日に3度目の重力波が観測されたとのことです.(LIGOグループ発表の英文ニュース)
 今回のイベント(このような突発的な現象を「イベント」と呼びます)も,最初のものと同様,大型ブラックホールの合体でしたが,前回のものが13億光年の遠方であるのに対し,今回のものは20億光年とさらに遠方のものを捕らえたとのことです.また,合体前の2つのブラックホールの自転の回転軸,すなわち「自転軸」が,前回のように「公転軸」と平行ではなく,少なくとも一方が傾いていた,とのことです.これは,2つのブラックホールがそれぞれ独立に形成された後,接近してペアとなったということを意味しています.一連の重力波観測で浮かび上がった新たなナゾ,すなわち「太陽の数十倍の質量の大型ブラックホールはどのようにして形成されたか」というナゾに,新たな手がかりを与えるものです.
 天文学者が皆,首を長くして待っていること,それは3番目4番目の重力波観測装置の稼働開始です.現在は観測所は2箇所だけですが,これでは天球上での重力波到来方向を狭い範囲で決定することができません.これが可能になれば,重力波の受信直後に光の望遠鏡や電波望遠鏡をそこに向けて集中的に観測し,イベントの発生天体をピンポイントで捕らえることができるかも知れません.今回はまだ範囲を絞り込むことができなかったのですが,それでも世界中の天文台が協力して可能な範囲を捜索したとのことです.残念ながらそれらしいものは捕まりませんでしたが,次の「重力波天文台」の稼働開始を見据えて各国の天文台の共同観測体制を整備しておくことが急務であると思われます.
posted by 駿台天文中嶋 at 23:05| Comment(0) | 日記